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#健康サプリが逆効果モンダイとは?

サプリメントは健康維持や栄養補給を目的に多くの人が日常的に利用している一方、その利用者の大半が自己判断で選び、摂取している。専門家に相談する人は1割未満で、飲み合わせや過剰摂取のリスクを十分理解している人も少数派だ。健康のための選択は、いま誰の情報によって決められているのだろうか。

1. 自己判断で選ぶサプリメント|健康への関心が高まる一方、サプリメント選びは医師や薬剤師に相談することなく、個人の判断に委ねられるケースが多い。
2. 健康情報は増えても、正解は見えない|SNSや口コミ、広告などに健康情報はあふれている。しかし、そのすべてが科学的根拠に基づくわけではなく、情報の見極めが難しくなっている。
3. 知識と行動のギャップ|飲み合わせのリスクを認識していても、「特に気にしない」と答えた人が最多。知識だけでは健康行動は変わらないという実態が明らかになった。

ヘルスケアに注目が集まる昨今、ドラッグストアやECサイトで買えるサプリメントは、その時の不調や足りない栄養素を補うために誰でも気軽に日常に取り入れているものだ。一方、東京都が2026年3月に公表した健康食品の試買調査では、法令違反の可能性が高い製品のうち125製品中118製品(94%)に不適切な表示や広告が確認されている。その選び方や情報の受け取り方は、本当に適切なのだろうか。

サプリメントは日常の健康習慣

サプリメントは、いまや多くの人にとって日常の健康習慣のひとつになっている。ドラッグストアやECサイトには数多くの商品が並び、気軽に購入できることから、すでに幅広い世代が生活に取り入れている。

「サプリメントは健康のために飲むもの」というイメージからか、その利用者の多くは、自分の判断で購入し、摂取しているケースが多い。しかし、飲み合わせや過剰摂取のリスクについて十分理解している人はどれくらいいるのだろうか。

男女比の内訳は、栄養補給の補助(男性77人/女性62人)、美容・美白(男性26人/女性46人)、疲労回復(男性54人/女性44人)、健康維持(男性55人/女性49人)、筋肉増量(男性13人/女性15人)、その他(男性31人/女性18人)

ニッポンモンダイの独自調査によれば、サプリメントを飲む目的として最も多かったのは「栄養補給の補助」で46.3%。続いて「健康維持」が34.7%、「疲労回復」が32.7%、「美容・美白」が24.0%となっている。この結果から、多くの人が日常的な健康管理のためにサプリメントを利用しているということがわかる。

現代では、食生活の乱れや忙しさから栄養バランスに不安を感じる人も多く、「不足しがちな栄養素を補いたい」「健康を維持したい」という理由でサプリメントを取り入れることは珍しくない。

その健康情報は真実か

では、人々はどのような情報を頼りにサプリメントを選んでいるのだろう。

調査によると、「成分表示やエビデンス」を参考にしている人が37.3%と最も多かった。一方で、「広告やパッケージの印象」「SNSや口コミ」を参考にしている人も4割を超える。情報収集の手段が多様化する中で、健康情報に触れる機会は増えているものの、それが必ずしも科学的根拠に基づいた情報とは限らない。

男女比の内訳は、広告・パッケージの印象(男性36人/女性31人)、SNSや口コミ(男性27人/女性31人)、成分表示や論文・エビデンス(男性60人/女性52人)、医師・薬剤師など専門家の意見(男性18人/女性11人)、その他(男性24人/女性10人)

実際、行政の調査でも健康食品の表示を巡る問題が数多く報告されている。東京都が2026年3月に公表した健康食品の試買調査では、法令違反の可能性が高いと判断された125製品を調査したところ、118製品で不適正な表示や広告が確認されている。さらに近年は、利用者の体験談であるかのように見せかけるSNS広告や、効果を過度に印象付ける画像を使用した宣伝も少なくない。

一方で、専門家に相談する利用者の少なさも目立つ。今回の調査では、サプリメントを選ぶ際、医師・薬剤師など専門家の意見を参考にしている人はわずか9.7%にとどまった。

背景には、医師や薬剤師へ相談する機会の少なさがあると考えられる。体調に問題がなければ医療機関を受診することはなく、薬局でも薬剤師と十分に会話せず商品を購入できる。結果として、インターネットやSNS、口コミが、専門家の代わりに判断材料となっている実態が見えてくる。

「知っている」けど「気にしない」

さらに注目したいのが、サプリメントの飲み合わせや過剰摂取に関する認識だ。

男女比の内訳は、十分理解しており、気をつけている(男性32人/女性37人)、ある程度知っているが、特に気にしていない(男性54人/女性37人)、あまり知らない(男性41人/女性42人)、全く気にしない(男性38人/女性19人)

調査では、サプリメント利用者のうち、飲み合わせリスクについて「十分理解しており、気をつけている」と回答した人は23.0%。つまり、十分な理解を持って慎重に利用している人は4人に1人以下で、多くの利用者は飲み合わせリスクをほとんど意識していない。

特に興味深いのは、「ある程度知っているが特に気にしていない」という回答が最も多かった点である。知識がないというよりも、「自分には関係ない」と考えている人が少なくないということだ。確かにサプリメントは食品として販売されているものが多いため、医薬品ほどの危険性を意識していない人も少なくないのかもしれない。しかし、摂取量や組み合わせによっては、健康への影響が生じる恐れがある。

健康のための習慣が逆効果になることも

例えば、複数のサプリメントを併用している場合、知らないうちに同じ成分を重複して摂取しているケースがある。マルチビタミンと個別のビタミンサプリを併用したり、複数の健康食品を同時に利用したりすることで、想定以上の摂取量になっていることも考えられる。

また、医薬品との相互作用にも注意が必要だ。特定の成分が薬の作用を強めたり弱めたりする場合があるため、持病の治療中であったり、継続的に薬を服用している人ほど慎重な判断が求められる。

もちろん、サプリメントの利用そのものに問題があるわけではない。適切に活用されているケースも多い。しかし、「サプリだから安全」「食品だから問題ない」といったイメージだけで利用している人は注意が必要だ。

今回の調査では、多くの人が健康維持や栄養補給を目的にサプリメントを利用している一方で、専門家へ相談している人は1割未満であり、飲み合わせや過剰摂取のリスクを十分理解している人も少数派であることが分かった。

手軽に購入でき、日常生活に取り入れやすいサプリメント。一方で、その手軽さゆえに多くの利用者が専門家への相談を経ることなく、自己判断で摂取し続けている実態も明らかになった。健康情報があふれる時代、私たちは誰を信じて行動を選択しているのだろうか。サプリメントをきっかけに、情報との向き合い方そのものを考え直す必要があるのかもしれない。

この記事の執筆者とインタビュアーの紹介

執筆者

佐藤真生

編集委員

企業のコピーライティングやコンセプトメイクを手がける傍ら、医療やサイエンス、クリエイティブ分野で取材・執筆を行うライター。「眞魚」名義でラッパー/作詞家としても活動し、国内外のアーティストへの歌詞提供も行う。